●50GeVシンクロトロン(MR)がビーム入射、周回、取り出しの試験運転に成功 |
JーPARCの最終段加速器であるMRは5月19日にビーム試験が開始され、22日22時27分にビーム周回運転に成功した。入射ビームは高周波空胴(RF)で良好に捕獲され1,600mのビーム軌道を1,000回周回し、その後入射ダンプへビームが取り出された。今後は、MRの安定な運転の実現に向けた調整が進められ、この秋には30GeVへの加速試験を予定している。
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●極低温水素循環システムの安定循環試験に成功 |
JーPARC物質・生命科学実験施設内に国内で初めて製作・設置した、極低温水素循環システムの安定循環運転に成功した。本システムは核破砕反応で得られる高エネルギー中性子(温度換算で数百億度)を実験に適切なエネルギーにまで下げるためのもので、世界最大級の性能を有している。
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●施設建設状況 |
(1) | 加速器関連 |
平成20年5月12日からリニアック・3GeVシンクロトロンのビーム試験運転を再開。50GeVシンクロトロン(MR)へのビーム輸送系機器の調整、MRへのビーム入射試験および機器調整運転を進めた。 |
(2) | 実験施設関連 |
物質・生命科学実験施設は、ビーム入射に向けた各種機器の調整を継続。原子核素粒子実験施設は電磁石チムニーの組み立て、ニュートリノ実験施設は、ターゲットステーション建家やディケイボリューム地下部工事、モニター棟では前置検出用電磁石ヨークの組立て、据付・設置を実施した。 |
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●ニュートリノ実験施設プレス見学会(平成20年5月22日) |
JーPARCニュートリノ実験施設では、T2Kニュートリノ振動実験の「前置検出器用電磁石」が欧州合同原子核研究機構(CERN)より搬入され、5月中旬より順次組立てが進み、前置検出器の縦坑内(直径約20m、深さ約23m)に据え付ける作業が行われている。
作業は、電磁石ヨーク16体(重量:53ton/体)を、既に据付け調整が行われた電磁石架台上に設置するもの。この電磁石は1984年にノーベル物理学賞を受賞したCarlo Rubbia等が関わったUA1実験に使われた由緒ある電磁石で、大型電磁石ヨークが据付けられる。
この機会に、ニュートリノ実験施設の見学会を開催したもので、プレス・テレビ局5社、8名が参加された。他に、ターゲットステーション、一次ビームラインを見学・取材され、当日のNHK茨城の地上デジタル放送で紹介された。
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