■ J-PARC News 第66号より       (2010/9) 
●LINAC10 / 第25回リニアック国際会議 (9月12〜17日) 
  2010年9月12〜17日の6日間、つくば国際会議場 (エポカルつくば) で開催された。リニアックの分野では世界的に最も権威のある国際会議で、2年に1度開催される。今回は日本で、KEK、JAEAが共同主催を行った。会議には、世界中の研究者や技術者のエキスパートが約400名 (国外270名) 参加、口頭発表が47件、ポスター発表が300件以上あった (この内36件が選ばれ、短い口頭発表も行われた) 。リニアックの技術や関連科学、開発研究の最先端状況などが紹介され、活発な意見交換と議論が交わされた。最終日には、JーPARCサイトツアーが行われ多数見学に訪れた。

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●韓国JーPARCユーザーセンター設立 / (8月26日) 
「CKor JーPARC」:Center for Korean JーPARC User 

  韓国には、既に200人を越えるJーPARCユーザーが見込まれていることから、韓国政府はソウル大学の組織として「CKor JーPARC」の設立を5月に認可、予算を拠出することを決めた。同センター設立の目的は、韓国ユーザーの公式な窓口として研究活動の支援を行うもので、日本に現地事務所の設置を計画している。今回初めて、JーPARCセンターとミーティングが開かれ、同センター設立の中心となって活躍されたソウル大学 Je-Geun Park教授から、 同センターの設立の経緯と組織、ミッション、プロジェクトの内容が紹介された。JーPARCセンターに対し、事務所整備、アカウントの開設等に関する協力、支援の要請があった。また、加速器や中性子等各研究分野における両国の研究の現状について相互の情報提供が行われた。

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●特集:JーPARCの実験装置について
< 試料垂直型反射率計 > 物質・生命科学実験施設:BL17

  物質の表面や界面の研究に中性子反射率計の利用が急速に拡大している。多層膜構造を持つ物質の表面すれすれに中性子を入射させると、中性子はその表面や内部の各界面で反射と屈折を繰り返す。中性子反射率計により、各界面などから反射してきた中性子の重なり具合や、中性子反射強度の波長依存性や反射角依存性を正確に測定することで、物質の深さ方向の 構造を非破壊的に調べることが出来る。BL17は偏極中性子を利用して、磁気メモリに用いられる磁性多層膜等の磁気構造を高精度に測定することを可能にした。

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●加速器運転計画
  10月の加速器運転計画は下記の通りです。9月まで夏期運転停止期間でしたが、10月から運転を再開します。 尚、運転計画は機器の調整状況により変更が生じる場合があります。

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●物質・生命科学実験施設
  物質・生命科学実験施設では、6本の中性子ビームラインの建設工事を継続中。BL02は、実験者居室兼データ収集室のキャビン整備。BL09は、MLF東側のビームライン建屋建設。BL11は、中性子ビームガイド設置のためハンガリー技師が来日。BL15は、本体遮蔽体室内整備、キャビン等整備。BL17とBL18は、電源盤工事、キャビン設置工事を実施。

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●ハドロン実験施設
  ハドロン実験施設では、ホール南側の実験エリアの整備を継続実施。また、10月のビーム試験に向け、K1.1ライン機器の調整作業を進めた。KOTO実験に使用するCsI検出器の設置作業も順調に進められている。

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●ニュートリノ実験施設
  ニュートリノ実験施設のターゲットステーション棟では、電磁ホーンのメンテナンスを想定した作業が進められている。一つは、大型ヘリウム容器への電磁ホーンNo.1の着脱を想定し、ヘリウム容器にガイドセルを取り付けての電磁ホーン吊り具の着脱試験。もう一つは、電磁ホーンNo.1予備機をメンテナンスステージに移動して、マニピュレータを使ったメンテナンス操作性などの確認作業。 また、ニュートリノモニター棟では、ND280電磁石が開かれ、オフアクシス検出器の調整などが行われている。

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●JーPARC施設一般公開
  8月28日 (土) 、今年で3回目となるJーPARC施設一般公開をJAEA東海研究開発センター施設見学会・実験教室との共同企画で実施した。 JーPARCは夏期メンテナンス期間のため装置の運転は停止中。3つの加速器  (リニアック、3GeVシンクロトロン、50GeVシンクロトロン)  と、各実験施設 (物質・生命科学実験施設、ハドロン実験施設、ニュートリノ実験施設) 全ての施設が公開された。当日は、猛暑にもかかわらず県内 外から、3,169名の来場者があった。訪れた子ども達は、最先端の科学実験施設の大きさに驚いたり、各エリアの実験体験コーナーに参加していた。

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●プレス見学会
  JーPARCでは、国内の電力需要が高まる7〜9月の夏期3ケ月間、加速器を止めて点検整備が行われる。その期間中である9月9日に、JーPARCのメンテナンス作業の状況を報道関係者に公開した。リニアックでは高周波発生装置や今後設置のリニアック後段部の加速空洞、 物質・生命科学実験施設 (MLF) では中性子ビームラインの建設現場、ニュートリノ実験施設 (T2K実験) では前置検出器などを見学した。

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●ご視察等
     8月24日 合田隆史文部科学省学術政策局長
     8月26日 韓国ソウル大学Je-Geun Park教授、他
     9月 6日 森山善範 文部科学大臣官房審議官

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