ハドロン実験施設は、1月28日に震災後初のビーム受け入れを行い、各種調整試験で機器の安全性を確認し、
31日からK1.8、K1.8BR、およびKLエリアでの利用運転を開始した。すでに1月24日には、物質・生命科学実験施設 (中性子、ミュオン) とニュートリノ実験施設の利用運転が開始しており、これでJ-PARC全施設が運転を再開した。 |
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●ストレンジネス核物理スクール2012 (SNP School 2012) 2月12〜18日 |
原子核物理や素粒子物理の研究を強く志す17カ国63名の若手研究者などが参加する、第1回目の標記スクールが、
東北大学、JAEA先端基礎センター主催、J-PARCセンター他の共催で開催された。本分野の第一線で活躍する研究者などの講義や、参加者の研究発表があり、活発な質疑応答、意見交換などが行われた。また、J-PARCツアーでは、
世界最先端研究施設となる物質・生命科学実験施設 (MLF) 、ハドロン実験施設、ニュートリノ実験施設、加速器の運転を集中管理する中央制御室を見学、現場で活躍する研究者からの説明に熱心に耳を傾けていた。
なお、前半 (12〜14日) は、東海村・いばらき量子ビーム研究センター、後半 (15〜18日) は仙台・東北大学川内キャンパスが会場となった。
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●特集:J-PARC/MLFで建設中の中性子ビームライン |
< 試料垂直型偏極中性子反射率計「写楽」:BL17 >
中性子反射率計は、金属や高分子、生物などの広い分野において、薄膜試料の表面や界面近傍の原子レベルに近いナノ構造状態を解明する装置。BL17 に設置された「写楽」では、磁気デバイスやその他の新しい機能性多層膜材料
創成の基礎データ収集が可能となる。また、温度、磁場などに関する試料環境装置も充実している他、偏極中性子 (中性子の持つミクロな磁石/スピンが特定方向に揃ったもの) の利用が可能で、特に磁性多層膜の磁気構造解析研究
において威力を発揮することが期待される。本装置は、「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」により整備され、平成23年度末に共用実験開始を予定し、利用促進業務は登録機関である総合科学研究機構 (CROSS) が行う。
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●実験施設関連 |
(1) 加速器施設 |
リニアックでは、加速器全域のビームロスの評価を実施し、震災前よりビームロスが大きくなっている個所についての原因調査を進めた。
ビームダクトのアライメント測定、ビームロスモニターの増設などによって詳細な状況を掴む。給排水設備では、屋内部の通水試験などを継続実施。50GeVシンクロトロンでは、電磁石通電試験、加速パターン運転、実験施設へのビーム取出し機器調整運転、各種ビームモニター調整などを実施。
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(2) 実験施設 |
物質・生命科学実験施設 (MLF) の中性子BLでは、震災による機器アライメント等への影響を、中性子ビーム測定、試料を使った装置性能の比較などで確認した。ミュオン実験施設では、D1、D2実験エリアで並列実験を可能にするため、キッカー電磁石などの設置を行い、
ミュオンビームの引き出しに成功した。 ハドロン実験施設では、遮蔽体の構築を完了。1月28日にビームを受入れ、31日からK1.8、K1.8BR及びKLエリアで利用運転を開始した。 ニュートリノ実験施設のターゲットステーションでは、1月20〜26日、ビーム調整試験を行い装置機器の運転に問題が無いことを確認。また、放射線レベルも震災前とほぼ同程度であることを確認。
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※ハドロン装置については、Top Newsをご覧ください。
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●各種委員会、研究会の開催 |
(1) NAC-2012およびMuSAC-2012開催 |
中性子アドバイザリー委員会/NAC (Neutron Advisory Committee) が2月9-10日、いばらき量子ビーム研究センターで、ミュオンアドバイザリー委員会/MuSAC (Muon Science Advisory Committee) が2月17-18日に、KEK東海1号館で開催された。
両委員会では施設の更なる性能向上、実験装置に関わる技術的問題点、利用し易い運営方針等についての議論・検討が行われた。なお、NAC-2012の詳細については、http://imss.kek.jp/topics/120209NAC2012/index.htmlを、
MuSAC-2012についてはhttp://imss.kek.jp/topics/120223MuSAC/index.htmlをご覧ください。
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(2) 「J-PARCにおけるハドロン物理と大規模計算物理の将来像」研究会 (Future Prospects of Hadron Physics at J-PARC and Large Scale Computational Physics) |
2月9〜11日、いばらき量子ビーム研究センターで標記研究会が開かれ、次世代コンピュータ (京) などによる計算科学の展開と、J-PARCハドロン実験施設での物理実験との連携強化を行うための、議論が行われた。 KEK・素粒子原子核研究所の理論センターはハドロン原子核理論の研究を推し進めるため、東海地区にJ-PARC分室を立ち上げた。
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●MLF施設検査合格 |
2月6日、 中性子ビームラインは国の検査代行機関である (財) 原子力安全技術センターの施設検査を受け、14日付けで検査に合格し、本格的な実験を開始することが可能になった。 今回、検査を受けた中性子ビームラインは、建設中のBL02、BL09、BL11、BL15、BL17、BL18の6本。また、ミュオン実験エリアではUライン建設に伴うM2陽子ビームラインの遮蔽構造変更により検査を受けた。
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●JRR-3でのトライアルユース (2月8-9日) |
平成18〜22年度の5年間、財団法人放射線利用振興協会 (RADA) は、文部科学省委託事業「中性子利用技術移転推進プログラム」として、JRR-3中性子線施設を利用したトライアルユース実験を実施してきた。今回、それに関わるシンポジウムが東京・日本科学未来館で開催され、
プログラムの歩みとその成果、中性子利用の成果と展望などが報告された。本制度に関わる利用者からのアンケート調査では、大変有意義なプログラムであったことが報告され、来年度から新たに開始されるCROOSトライアルユースへエールが送られた。
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●ご視察等 |
2月15日 中性子産業利用推進協議会 運営委員長 (株式会社東芝 須藤 亮 専務)
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