■ J-PARC News 第88号より       (2012/7) 
●J-PARCセンター長の交代
  平成18年2月17日、J-PARCセンターが発足、初代センター長に永宮正治 (当時、J-PARCプロジェクトディレクター) が就任し、先月まで6年4ヶ月にわたりJ-PARCを牽引してきた。 今回、J-PARCセンター長の交代時期を迎え、7月1日に新J-PARCセンター長に池田裕二郎 (前:J-PARC副センター長) が就任した。永宮正治、前センター長から、今後の更なるJ-PARCの発展が新センター長に託された。
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●物質・生命科学実験施設 (MLF) が300kW利用運転を実施、&ハドロン実験施設で14kWビーム取出しに成功
  物質・生命科学実験施設 (MLF) は、これまで200kW運転を行っていたが、今年10月からの出力増強に備え、6月29日から7月2日までの3日間は、275kWへパワーアップした利用運転を試験的に実施し、運転パラメータ等の収集を行った。
  また、ハドロン実験施設ではこれまでの3.5kW運転を、6月21日から7月2日にかけて、6kWに連続でパワーアップした利用運転を実施した。また、今後の出力増強に向けて10〜14kWビームの取出し調整を行い、6月28日には14kWビーム (1Shot) の取出しと輸送に成功した。

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●J-PARCの運転状況とMLFにおける産業利用採択課題状況
  物質・生命科学実験施設 (MLF) のビーム利用が開始された、平成20年12月から今年7月までの施設の運転状況を図1に、また、各利用期間ごとの産業利用採択課題状況を図2に示す。各利用期間の利用課題採択件数は、ビーム出力の増強に伴い増加した。しかし、昨年は震災による被害のため運転停止に追い込まれたが、平成24年1月に利用運転が再開となり、施設の利用状況は震災前の状態に戻った。施設利用時間、利用課題採択件数などは、ビームパワーと共に順調に伸びて来ている。



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 【材料構造解析装置 (iMATERIA) における産業利用の実績】 

  茨城県は中性子の県内産業利用促進を進めるための協議会を整え、現在、会員企業数224社で各種活動が進められている。7月17日、平成24年度県内中性子利用連絡協議会の総会が開催され、茨城県ビームライン産業利用コーディネーターの森井幸生氏から、県ビームラインの産業利用の実績についての報告が行われ、iMATERIAではリチウムイオン電池材料の研究などで産業利用が進んでいる事が挙げられた。

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●実験施設関連
  7月2日、加速器ビーム運転 (Run#43) が終了し、3カ月間の夏期メンテナンスに入った。各実験施設では、メンテナンスと並行して新設ビームラインの建設、機器の組立てなどが進められている。MLFでは、超低速ミュオンビームラインに超伝導湾曲ソレノイド電磁石を設置、ハドロン実験施設では、KLビームラインに設置する検出器の組立てが進められている。また、ニュートリノ実験施設では、ビームライン、前置検出器の点検・保守を実施している。


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●ミュオン輸送用「超伝導湾曲ソレノイド電磁石」設置
  物質・生命科学実験施設の第2実験ホールでは、超低速ミュオンビームラインを建設しており、7月5日にはミュオンターゲットから実験ホールにミュオンを導くための超伝導湾曲ソレノイド電磁石が設置された。この電磁石は、高い放射線レベルとなるミュオン生成標的部と実験ホールとを繋ぐため、実験ホールへの放射線の影響を低減させるS字型に湾曲した構造としている。また、一旦挿入されると装置全体を見ることが出来無くなるため、今回、ミュオンビームユーザーへのお披露目などが行われた。詳細については、http://imss.kek.jp/news/2012/topics/120710CurvedSolenoid/index.htmlをご覧ください。

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●T2Kニュートリノ実験についてNHKが取材
  素粒子物理学における理論物理と実験物理の両方にわたって最も権威のある国際会議「ICHEP2012」が、7月4日からメルボルンで開催され、ニュートリノ振動に関わる最新のT2K実験の成果について発表が行われた。それに伴い7月5日にNHK WORLDの取材があり、11日に放送でT2K実験が世界に向けて紹介された。


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●ご視察等
     7月 4日  科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会委員
     6月 8日  横山典弘 内閣官房地域活性化統合事務局次長
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