■ J-PARC News 第75号より       (2011/6) 
●世界初、電子型ニュートリノ出現現象の兆候を捉える
   ミュー型ニュートリノが飛行中に電子型へ変化する、電子型ニュートリノ出現現象の発見を最大の目的としたT2K実験で、震災前までに取得した全データを解析したところ、世界で初めて電子型ニュートリノに起因すると考えられる6事象がスーパーカミオカンデ (SK) 検出器で観測された。 (6/15プレス発表) 
T2K実験 (Tokai to Kamioka) :茨城県東海村のJ-PARCで発生させたニュートリノを、岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデに向け打ち出しニュートリノ振動を観測する、東海−神岡間長基線ニュートリノ振動実験。
詳細については、http://www.kek.jp/ja/news/press/2011/J-PARC_T2Kneutrino.htmlを参照願います。

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   なお、プレス発表に先立ち14日にはKEKつくばで報道関係者向け説明会が開催され、10社 (13名) が参加、小林隆素粒子原子核ディビジョン長がT2K実験の最新結果について説明した。また、プレス発表に合せて15日にはKEK小林ホールなどで研究者向けセミナーを開催、同ディビジョンの坂下健 助教により報告が行われた。

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●東日本大震災、J-PARC復旧工事の進捗
   J-PARCの震災復旧工事が本格的に開始された。5月中旬から、建物等の被災度調査や地盤のボーリング調査などが進められている。また、道路や電気、給排水などのインフラ設備等の修復工事も行われ、復旧に向け着実な歩みを進めている。

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●平成23年度MLF全体報告会 (5月27日) 
  J-PARCの施設利用促進業務を担当する共用法登録施設利用促進機関 (CROSS) や、茨城県の関係者を交えて、物質・生命科学実験施設 (MLF) の全体報告会が開催された。平成22年度の成果報告と、今後の震災復旧スケジュール、研究計画などが各研究グループから報告された。また、藤井CROSS東海事業センター長からは、CROSSの業務内容や活動についての説明があった。

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●海外からの支援
   J-PARCと同様な核破砕中性子源施設として米国にSNS、英国にISISがある。
   SNSを所管する米国エネルギー省Dr.Bill Brinkman科学局長が6月17日来訪した。SNSでは、自らの研究時間を削減し、震災で停止したJ-PARCの研究者の一部を受け入れる支援を行う予定である。ISISからも支援の動きがあるが、5月31日にDr. Martyn Bull交流部長が来訪し、情報交換を行った。

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●被災状況の調査と復旧
   陥没した道路、トンネル躯体の地下水漏水や連結部ゴムの歪み修復など、建物関係工事が進められている。また各機器、装置の点検や修復も進んでいる。多岐に亘る復旧・修復工事などが開始された。

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●磁性体コアの開発
   高い電圧勾配のシンクロトロン用加速器高周波 (RF) 空洞製作に向け、磁性体コアの開発を進めている。震災による中断を挟み、6月9日にハドロン実験施設のFMサイクロトロン電磁石を利用した磁性体コアの熱処理 (オーブンによる加熱) 実験を再開した。その結果、良好な性能を有した磁性体製作の目処を得ることができた。
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●被災状況ご視察等
     5月31日 Dr.Martyn Bull 英国ISIS (パルス中性子&ミュオン源施設) 交流部長
     6月 1日 澤川和宏 文科省研究振興局学術機関課長
     6月17日 Dr.Bill Brinkman 米国エネルギー省科学局長
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