■ 大強度陽子加速器計画月報1月号より       (2002/1) 

●ドリフト・チューブ・リニアックの組立て
 ドリフト・チューブ・リニアック(DTL)陽子ビームは、3台のDTLによって3MeVから50MeVまで加速される。 現在、KEKにおいて1台目を組立て中で、今後、大電力試験、加速試験等を実施した後、東海研に搬送して実機として使用する。 (月報2001年12月号のリニアック構成図参照)
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●中性子ビームライン遮蔽実験
 米国・ロスアラモス国立研究所の800MeV陽子による核破砕中性子源施設で、イメージングプレートと放射化検出器(Bi(n,4n)Bi-206等)を用いて、中性子ビームライン遮蔽に関わる高エネルギー中性子空間分布の測定を実施した。 実験では原研チームが測定全般を担当し、本計画の1MW中性子源の中性子ビームライン遮蔽設計計算手法の精度検証のためのデータ取得という当初の目標を達成した。
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●リニアック建家設計が完了
 リニアック、3GeVシンクロトロン、基幹施設の設計が順調に進み、3月末のリニアック施設建設着工に向け契約手続きを開始した。

●大強度陽子加速器利用研究会
 中性子研究の国際拠点となる加速器を地域経済の活性化に結びつけることを目的として、1月30日にひたちなかテクノセンターで発足した。 企業関係者、茨城大学の研究者等約150人の参加があった。研究会内部には、「中性子の産業利用研究会」「大強度陽子加速器施設研究会」「研究成果利用研究会」が組織され、活動が開始される。 ベンチャー企業の育成、中小企業活性化などの波及効果が期待される。

●第2回ワークショップ「加速器駆動型未臨海炉と原子核物理」
 1月24、25日に約80名の参加を得て東海研で開催された。プロジェクトの概要、核変換技術、加速器技術、高エネルギー粒子と原子核の相互作用、関連する核物理分野の最近の話題等、幅広い話題について活発な議論が行われた。
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●新年の挨拶
 私共の大強度陽子加速器計画の建設もいよいよ2年次を迎えることになりました。関係の方々のご支援で建設予算もほぼ順調に認められ、今年はチーム員が一丸となって建設に邁進する時期でもあります。 本年も、月報を通じて活動状況をお知らせしますので、プロジェクトに対するコメント等がございましたらご遠慮なくお申し出下さい。(プロジェクトディレクター・永宮正治)

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